建設業許可 工事業種の区分に関する Q&A

業種の区分に関するQ&Aです。

基本的に、東京都知事許可で500万円以上の工事を想定した回答となります。
都道府県・大臣許可によっては、審査・判定の基準・取り扱いが違う場合がありますので、ご注意ください。

目次

附帯工事とは何ですか?

附帯工事とは、許可を受けた建設業に係る建設工事(主たる工事)に付随する建設工事(従たる工事)のことです。
具体的には、「主たる建設工事を施工するために必要な他の従たる建設工事」又は「主たる建設工事の施行により必用を生じた他の従たる建設工事」と定義されており、附帯工事自体が独立の使用目的で行われるものではなく、主たる工事の目的を果たすために必要な工事のことを言います。
附帯工事に該当する工事であれば、主たる工事の許可しかなくても、その専門工事を請け負うことができます。
ただし、500万円以上の附帯工事を自ら施工するときには、その専門工事の主任技術者の資格要件を満たす者(専門技術者)を配置する必要があります。

「建築一式工事」の許可があれば、どんな工事でも請け負うことができますか?

「建築一式工事」とは、総合的な企画・指導・調整のもとに建築物を建設する工事の許可です。
例えば、新築の一戸建やビルの増改築等の大規模工事を元請として請け負い、その工事に係る専門工事の下請を総合的に監督するような場合が「建築一式工事」に該当します。
そのため、「建築一式工事」の許可のみで、500万円(税込)以上の専門工事を単独で請け負うことはできません。

500万円未満の軽微な工事でも、登録が必要な工事はありますか?

以下の工事を自ら施工する場合には、行政庁へ登録する必要があります

浄化槽の設置工事を行う場合 浄化槽工事業者登録
解体工事を行う場合 解体工事業者登録
電気工事を行う場合 電気工事業者登録

登録を受けていれば建設業許可は受けなくてよいですか?

浄化槽工事・解体工事・電気工事など、他の法令で登録制度が義務付けられていても建設業法の対象でもあるため、500万円以上の工事を請け負う場合は建設業許可が必要となります。

機器等の定期点検や保守、雑草の除去、道路の除雪は建設工事に該当しますか?

機器等の単なる点検や保守・除草・除雪・融雪剤散布・土砂運搬等は建設工事には該当しません。建設工事は、建設業法で29業種に分けられており、その内容が建設省告示等で示されているものが該当します。

[その他、建設工事に該当しないものの例]
樹木の剪定、測量、設計、地質調査、建設機械リース(オペレーターが付かないもの)、船舶修理、側溝・水路の清掃など

道路維持管理の業務委託や電気設備・消防設備の保守点検は建設工事に該当しますか?

建設工事に該当するか否かは、発注者との契約内容により判断されますが、請負契約でないものは原則的に建設工事に該当しません。

船舶に係る工事は、建設工事に該当しますか?

船舶に係る請負工事(エンジンの取付工事、内装工事、管工事、塗装工事等)は、建設工事に該当しません。

内装の解体をするためには、「解体工事業」の許可が必要ですか?

「解体工事業」の許可は、具体的には建物1棟を解体して更地に戻すような工事を想定しているため、内装の解体をする場合に「解体工事業」の許可は必要ありません。

それぞれの専門工事において建設した目的物のみを解体する工事は、各専門工事に該当する工事となるため、この場合は「内装仕上工事業」の許可が該当します。

食器棚やシステムキッチンを設置するためには、何の許可が必要ですか?

単なる食器棚を設置する場合は「内装仕上工事業」、給排水が必要なシステムキッチンを設置する場合には「管工事業」の許可が必要となります。

ガラスフィルムの施工をするためには、何の許可が必要ですか?

施工場所、目的等によって以下のように変わって来ます。

外装材の補修目的で建物外装に高熱候性フィルムを貼る場合 「塗装工事業」
上記と同じ工法でも室内の壁面や天井に貼る場合 「内装仕上工事業」
飛散防止やガラス機能向上目的でガラス面に貼る場合 「ガラス工事業」
装飾目的でガラス面にフィルムを貼る場合 「内装仕上工事業」
建物内外のガラスに機能向上目的の塗装をする場合 「塗装工事業」

室内のフロアやクロスのコーティングは、何の許可に該当しますか?

ローラー・モップ・スプレーガンなどを使用して、溶液剤を塗り付ける・吹き付ける作業であれば「塗装工事業」の許可に該当します。

スピーカーやモニターなどのAV機器を設置する場合は、何の許可が必要ですか?

コンセントに電源ケーブルを差し込むタイプのAV機器を壁や棚などに設置する工事の場合は「内装仕上工事業」、壁に専用コンセントを作ったり壁のスイッチに電源ケーブルを接続する工事の場合は「電気工事業」の許可が必要となります。

太陽光発電の工事は、何の許可が必要でしょうか?

太陽光発電工事については、発電設備工事に該当すると考えられるため「電気工事業」の許可が必要となります。ただし、太陽光発電のパネル自体が屋根材としての機能を有するものを住宅等の屋根に設置する工事は「屋根工事」、太陽光発電設置工事を含む大規模の建設物を一括して元請で請け負う場合には「建築一式工事業」の許可が必要となります。

非常用・業務放送用のスピーカーを設置する工事は、何の許可が必要でしょうか?

弱電工事に該当すると考えられるため「電気通信工事業」の許可が必要となります。

ただし、自動火災報知設備(建物内の人達に火災を知らせる装置)と火災通報設備(消防機関へ通報する装置)を連動する工事を行うためには「消防施設工事業」、交流電源から専用電源にケーブルを引く工事を行うためには「電気工事業」の許可が必要となります。

セキュリティ機器を設置する工事は、何の許可が必要でしょうか?

セキュリティ機器(防犯マグネットとかパッシブセンサーなど)は、一般的に100V電源の機器が多いため「電気工事業」に該当すると考えられますが、取り付ける機器の電源によっては変わってくる可能性もあります。

48V以上は「強電」※電気使用方法:エネルギー源(動力ライン) 「電気工事業」
48V未満は「弱電」※電気使用方法:信号の伝送媒体(信号ライン) 「電気通信工事業」

ただし、弱電の機器の取り付けでも、交流電源から専用電源にケーブルを引く工事が必要な場合は「電気工事業」の許可が必要となります。

家屋内の上水道配水工事は、何の許可が必要でしょうか?

上水道等の取水・浄水・配水等の施設及び下水処理施設内の処理設備を築造・設置する工事の場合は「水道施設工事業」、家屋その他の施設の敷地内の配水工事・上水等の配水小管の設置工事は「管工事業」の許可が必要となります。

水路・側溝・汚水管等の「しゅんせつ」は、建設工事に該当しますか?

河川、港湾等の水底を「しゅんせつ」する工事が建設工事とされているため、水路・側溝・汚水管等の汚泥等を清掃するだけの「しゅんせつ」では、建設工事「しゅんせつ工事業」に該当しません。

石碑や墓をたてるのは、建設業許可は必要ですか?

500万円以上になる場合は、「石工事業」の許可が必要となります。
石碑を建てることは、石碑の完成を請負っていると考えられるため建設工事に該当します。

工事現場に仮設する囲いやゲートの設置や解体は、何の許可が必要でしょうか?

基本的には、仮設の足場工事に該当すると考えられるため「とび・土工・コンクリート工事業」の許可が必要となります。
ただし、電気式開閉のゲートの場合、「電気工事業」の許可が必要な場合もあります。

機械機具の据え付けは、何の許可が必要でしょうか?

機械器具の組立て等により工作物を建設し、又は工作物に機械器具を取り付ける工事の場合は「機械器具設置工事業」、機械器具の組立は行わずに、単に完成品を架台等に据え付ける場合は「とび・土工・コンクリート工事業」の許可が必要となります。

オペレーター付きの建設機械リース契約は、建設工事に該当しますか?

建設機械リース契約でも、オペレーターの行う行為は建設工事と考えられます。
ただし、オペレーター付きの建設機械リース契約は、労働者派遣法で禁止されている建設業務への労働者派遣に該当する可能性もあるため、建設業法に基づいた請負契約を締結する必要があります。

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